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※『新約』表紙。巻数リセットという事態もあって、「心機一転となれば、そりゃ表紙にも意外性なりドラマが欲しいよね」
 みたいな事は当然考えましたが、今回の『改題』という、勝ち試合のスタメンを変えるに等しいロックな姿勢からすれば、
 「…あれ?"意外性がある"って、こういう場合むしろ"普通のこと"なんじゃ?」

 そんなワケで、一周まわって"通常運転だからこそ、逆に異質"な方向を敢えて選択する事に。

※フレメア=セイヴェルン。本編ではとばっちりそのものの彼女ですが、ちょっと見方をコミカルに転じれば、

 「ナイト2名(浜面くん&一通さん)を振り回すお姫様キャラ」という解釈も出来るので、
 鎌池さんの指定にあった「白ゴスロリ(甘系?)+赤タイツ+フレンダ的意匠」を基に、RPGの姫キャラ風にしてみました。

※番外固体・アオザイver。キホンは芳川からの貰い物なので、あまり彼女のキャラには合っていない、
 「どこかしら不自然な感じ」を常に意識していたような?あと、アオザイといえばやっぱり「透け」だよね!(←力説

 あ、このラフ「右腕のギブス」を描き忘れてる…

※黒夜海鳥ver1.0。…例えて言うなら「一昔前のメタラー衣装を着せられた、呪いの日本人形」?

 インデックスや打ち止めなどが解りやすい例ですが、『禁書』のロリ系キャラは、意図するとせざるとに関わらず、
 「保護欲をそそる感じ」が大半です…が、彼女は間違いなくその類では無いだろう、という事でこんな感じに。

※黒夜ver1.5。目の処理や衣装の細部を変更。正規採用されたのはこっちになります。

 今回は、彼女絡みで駆動鎧の亜種が多数登場しますが、「他作業との兼ね合いで、(自分が)デザインを起こす時間は無い」
 と言う方向が事前打ち合わせで定まっていたので、駆動鎧群については、アニメ版『超電磁砲』でもメカデザインを担当された
 「明貴美加」様に原案をお願いしました。この場を借りて御礼申し上げます。

 (! 今巻の駆動鎧群デザインは私の担当では無いため、原案の公開は有りません

※オマケその1、ヴェントの頭部素体。実は20巻の時点で、本編に登場する事を前提に描いたモノですが、
 肝腎の挿絵で登場機会が無かったため、つい先日までラフの存在をド忘れしていました。
 彼女がメインで登場した13巻は、『禁書』全体からしてもやや異質な絵柄なので、むしろこっちがデフォ?

 このラフのままだと、髪型の系統がオルソラとやや似通ってるので、本編で素顔の出番があるなら、
 長さをほんの少しだけ短く、かつ右→左の流れはもっと大胆にしてしまうかも?

※オマケその2、アレイスターの『衝撃の杖(ブラスティング・ロッド)』。アニメで一瞬だけ登場する事が確定していたので、
 正式にデザインラフを起こしました。本編で使用された際には、杖がガラスのように透明化していますが、
 あちらは「魔術的性質を強めたとき」の状態で、「ただ、飾っているだけ」の時はこんな感じ。

 ちなみに、禁書世界での『魔術杖』は、カナミンのステッキやアニェーゼの蓮の杖、果てはローマ教皇の権杖まで、
 「植物」を連想させるモチーフを、必ずどこかへ潜ませるようにしています。

※オマケその3、霧ヶ丘女学院校章。こちらも、アニメで結標や風斬の制服へ用いられる事を前提に起こしたものです。
 「太陽・月・桐葉」といった、校章デザインのモチーフとしては割と有りがちなもの。

※『新約』表紙ラフ。フレメアの項で取り上げた「ナイト2名を振り回すお姫様」のイメージを表紙にも引用しています。
 表紙の項でも述べたように、今回は敢えて"馴染み深い絵面"を選択。「ネタバレを出来る限り避けるのが常」
 というのも、従来の作法を踏襲した理由の一つ。「どこか、過去の表紙に似てる感じ」も意図的なモノです。

 …実は当初、バードウェイを表紙で…とか、扉絵で映画館のスクリーン(『ヘヴィーオブジェクト』の1場面)を描く、
 なんて案も有ったりしました。後者は三つ折りの口絵に名残があります。

 なお、本作モノクロ作業の一部については、15巻より変わらず →伊藤タテキさん にお願いしております。

※『新約2』表紙。満を持して?登場のレイヴィニア=バードウェイ。

 もともとSSでの初出時から相当に美味しいポジションのキャラだったうえ、今巻では
 "司会進行役"も務めているので、ココで描かずして何時描くんだ!みたいな感じだったような。

※『新約3』表紙。今回の美琴は、以前にpixivへUP(画集にも掲載)したアナザー衣装を着用しています
 (ちなみに浜面も同様。一通さんのは何だか暑そうだったので、別途描き下ろしました)。

 もとは、ハワイ用の衣装を新たに描く必要が出てきた際「…そういえば!」みたいな思い付きから採用された、
 「労力削減案」だったワケですが、とはいえ、あのまま一発限りで死蔵させてしまうのも
 なんだか勿体無かったですから、丁度よいタイミングだったのでは無いでしょうか?

※レイヴィニア&パトリシア。各々、清書のうえ『新約2』と『SP』目次絵に流用しています。

 実は既に数年前、2名共に紙の上ではラフを切っていたので、ソイツを基にデジタル上で描き直し。
 姉の方はヒールの高い靴で身長が底上げされているので、実際の身の丈は2名ともに同じです。

※レイヴィニアの『剣と杯の杖』。「花弁」にあたるギミックは緩いナットのような構造になっており、
 杖のどちらかを持って振ることで、回転しながら開閉する…みたいな感じになっています。

 "植物"モチーフの例に漏れず、今回は待雪草(スノードロップ)がソース。
 ちなみにギミックは花言葉にも対応していたりします。詳しくはwikipediaあたりをご覧ください。

※ロベルト=カッツェ。実際のカラー絵で描かれた彼はラフと比べて"濃さ"がやや増量されています。

 もともと彼は3巻表紙でちゃんと顔出しをする予定だったのですが、それに伴うちょっとした問題が
 発生していました(詳細は3巻表紙ラフで後述)。そのためラフ・表紙・口絵の絵柄全てが微妙に異なる結果に…。

 一番イメージに近いのは、やはり本チャンの扉絵で描かれた彼ですかね?

※ハワ一通さん。ロンTは以前に描いたもののマイナーチェンジですが、ズボンはパイソン柄のものに新調しています。

 記号性との兼ね合いで、ファッション("キャラのカラー"と言った方が正確かも?)をひといきに
 変えてしまうのはやや難しいですが、こんな風に少しづつバリエーションを増やして行きたいですね。

※サンドリヨン。意匠はズバリ「未来の宇宙服」が造形のソースになっています(詳細はググッてみて下さい)。
 解りやすい所では『仮面ライダーフォーゼ』が同じモチーフですね。

※サローニャ=A=イリヴィカ。《種族:森の精。クラス:弓使い》みたいな感じ。
 他のキャラよりも「線が細くて、色素が薄い」イメージでしょうか。

 余談ですが、彼女やロベルト以外にも、3巻終盤には重要げな新キャラがチラッと出て来てますが、
 あちらのラフ公開は次の正式登場以降になります。こういうのは、車田漫画やキン肉マンとかで有った
 「影になってる四天王キャラ」みたいなのと同じで、先に見せちゃうと面白味が無いですよね?

※『新約2』表紙ラフ。レイヴィニアとインデックスの基本カラーが同じなので、印象が取っ散らかってしまったような。
 あと「帯に上条が隠れていると美味しいよな」とか思っていたら、帯にもしっかりキャラがプリントされていたと言う…。

 絵のキモは…やっぱり「上条踏み」?

※…ちなみに、自分で没にしたラフも有ったり。レイヴィニアを描いた時点で「あ、これアカンわ」となったのですが、
 キャラクター小説の面から見ると「こっちでも良いかなぁ?」と思ったりしますね。

※『新約3』表紙ラフ。もともとロベルトはここで顔出しの予定だったのですが、そうなった場合
 上条と美琴の間に濃いオッサンが割って入るという、「ライトノベルの表紙」としてはあまり宜しくない形に
 なってしまう問題が挙がってしまったため、検討の結果、彼を見切れ気味にするという苦肉の策を取りました。

 ロベルトの項で述べた「絵柄の違い」は、『キャラを薄めるのか?それとも表紙から外すのか?』という、
 煩悶の途中で発生したものです。もとより、ラフのままでは造形が旅掛と被りすぎだったので、
 『キャラを薄めず、表紙での印象を薄める』方向にしました。

※『新約4』表紙。まさに「誰だお前ら」状態ですが、禁書では良く有る事なので気にしたら負けです。
 しかも登場しているのが(背景の人物も含め)全員『木原』という…。

※マリアン=スリンゲナイヤー。「可愛い顔してエグい人」みたいな印象が有ったので、そのように。
 なお、本編では少しばかり頭身を引き上げています。ロリキャラと言うよりは小柄な美人さん?

 『工具』については、サーシャ=クロイツェフと丸被りの可能性が高かったため、
 "蛇=∞"のモチーフを使いつつ、やや「鍛冶師」方面に極性を振っています。

※(左から)ウートガルザロキ、シギン。ウートさんはもっと人を喰った感じの「変な」デザインでも良かったかな?

 シギンは本編だと携帯越しのみの登場なうえ、「"どの時点まで"本人だったのか?ひょっとして(4巻の時間内では)
 最初から居なかったんじゃ?」…といった不遇の扱いですが、後述の木原トリオや女子トリオとの対比も込めて、
 絵にする事は決定済みでした。モチーフは「皿」?詳しくは北欧神話を各自調べてみて下さい。

※女子トリオ。他のトリオと異なり、彼女たち3名は互いに直接の接点を持っていませんが、敢えて一纏めに。

 (左から)雲川鞠亜、近江手裏、サフリー=オープンデイズ。鞠亜はそのまんま「秋葉でビラ配りしてそうな偽メイド」。
 手裏さんは格好こそアレですが、素の造形は『どろろ』や『カムイ伝』的な、少年少女忍者のそれを意識しています。
 サフリーさんも「格ゲーとかに居る、大会参加の動機がちょっとズレたキャラ」みたいな、鞠亜に近い単純コンセプト。

※木原トリオ。(左から)木原円周、木原乱数、木原病理。

 円周については基本、頂いた指定のまんまです。もともと「真っ当な木原のカテゴリ」からは外れた人物なので、
 いわゆる「禁書的女性キャラ」のカテゴリ内に収める事にも抵抗は有りませんでした。

 乱数さんは完全に木原数多のコンパチですが、これは意図的なものです。詳しくは表紙ラフにて後述。

 病理さんは或る意味4巻の肝&要所と言える人物なので、本編イラストがラフ以上に荒ぶっています。
 例えるなら、純粋悪魔人ブウやフェイスレスみたいな…妖怪的というか、人外の領域に居るひと?

※木原加群(ベルシ)。本編の彼は白づくめですが、この段階では黒づくめだったりします。
 衣装の余計な線は何ともダサい感じだったので、本編カラー絵ではサクっと消しました。

※本編に使われた幕間カット。設定ラフを下絵にした描き起こしですが、上条のみ元絵は有りません。
 線画に起こす過程では良く有る事ですが、鞠亜と加群はこちらよりもラフの方がしっくり来ますね。

 今回は15巻に匹敵するキャラ消費の激しさも有って、つねづね口にしている"キャラ被り問題"は
 あまり考えないようにしました。今後登場する可能性も(一部を除いて)さほど高くは無さそうだったので。

※4巻表紙ラフ。なにぶん、今回は見知ったキャラが誰一人おらず、しかもネタバレ回避のために
 上条はカラー絵で出せない制約が存在したため、どこかに既出巻との接点が無いと困るなぁ
 …といった具合で、ゆえに木原乱数は木原数多のコンパチとなった次第です。

 今巻の登場人物中、いちおうマリアンは既出と言えるため、グレムリントリオの案も有ったのですが、
 表紙にした時の"威力"は、コイツ等3人の方が断然高いですよね?

※新約5巻表紙。学園都市の一大イベント「一端覧祭」中の出来事…と言うことは、やはり学園風景を描かない訳には行かないだろうと。
 表紙絵では極めて珍しいケースですが、当イラストでは背景に具体性を持たせるための"背景(専用の)線画"が存在します。

※続いて6巻表紙。打って変わってロケーションの曖昧なキャラ主体の絵に。何げに麦野さんと垣根さんは表紙初登場?

 こんな事を書いてると「麦野は旧約21巻表紙に出てるじゃないか!」とか言われそうですが
 …ホラ、あの時の彼女って"キャラ"と言うより"クリーチャー"扱いだから。

※トール。当初から黄色と黒主体のカラーリングは指定に有り、自分もぼんやり「そうだろうなぁ」とか考えていましたが、
 なにぶん前巻に登場したばかりの雲川鞠亜さんと色がモロ被りだったので、初案【※左端】では敢えて指定を外してみる事に。

 しかし、ラフの練度が足らない時にはまま有りますが、見た目が何とも垢抜けない感じになってしまったため、
 改めて指定を守る方向に軌道修正【※左から2番目】。結果採用されたのは左から3番目のものです。

 …実は当初、雲川鞠亜との色被り以上に、造形的な極性の近い一通さんとのキャラ被りがいちばんの警戒対象だったのですが、
 ラフ出し〜6巻挿絵までを終わらせた結果、彼は『悪童』とでも表すべき、固有の美味しいポジションを獲得した感が有りますね。

※フロイライン=クロイトゥーネ。彼女はいちおう人間…と言う事になってはいますが、真っ先に連想したのは『ジョジョの奇妙な冒険』の"柱の男"。
 アレです、サンタナとかワムウ的な、あのへんです。その気になれば神砂嵐とかも放てるんじゃないのかこの人…?

※麦野&芳川の秋冬仕様。麦野は新約1巻の挿絵で「ストッキングを履いてる筈なのに、何故か下着(ショーツ)がチラ見え」と言う
 意味不明なミスをやらかしたので(と言うか自分も含めて誰も気づかなかったのか…)、今度はチラ見えの余地が無いパンツルックです。

 芳川さんは5巻のカラーで何となく部屋着を新調してしまったうえ、6巻挿絵でも登場の可能性があったので、改めて描き起こし。
 ちなみに彼女は部屋着と外着の区別が有りません。研究者気質ゆえに、そういう所にはあまり頓着しなさそうだし。

※垣根帝督・未元物質体(←愛称『垣根ホワイト』または『垣根未元体』)。未元体と化したホワイトさんは"固有の形態をとる事"に
 大きな意味は無いと思いますが(と言うか"目に見えるようなモノ"である必要すら無い筈?マザー2のギーグ的な)、そこはそれ。
 生身の部分が白かったり黒かったりするだけで、基本的な部分は15巻の初出時とあまり変わっていません。

 なお、目次絵で描かれている「シロカブト05(=『垣根帝督』の一部)」、デザイン原案を →木谷しい さんにお願いしております。
 自分の考案したものでは無いため、当ページでの原案公開は有りません。ご了承下さい。

※5巻表紙ラフ。最初から背景を「上条の学校、一端覧祭の準備風景」にする事は決めていたので、
 恒例のモブ子も既にちょこっと描かれてますね。

 ちなみに、背景がいつも以上に具体的だったのは、表紙をめくった先の「扉絵」との兼ね合いでも有ります。
 扉絵のいわゆる"レギュラーキャラ"が線画付きで描かれているのに、カメラからの距離がほぼ変わらない
 表紙モブに線画が無いと言うのは、何だか不自然に見えてしまうので。

※6巻表紙ラフ。「打ち止め、フレメア、フロイライン」といった予備案も有るには有りましたが、
 4巻の木原ズに同じく「この巻で、最も"威力"の有る組み合わせ」を考えると、やはりこの3人しかいないだろうと。

 4巻のロゴが薄っすら入っているのは、キャラの顔がロゴに被らないか確認するためです。

※新約7巻表紙。生身の食蜂さん、本編初登場。ちゃんとしたカラー絵で
 彼女を描くのは地味に初めてだったので、描き慣れてない感がありありと出てますね…。

 ちなみに、当初の表紙候補筆頭は「土御門と雲川姐さん」だったりしました。
 表紙が常盤台レベル5コンビにすげ替わった理由については、7巻表紙ラフの項で後述。

※諸々のひと達・その1。土御門は今回の振る舞い的に「変装していた方が自然」と思ったので、
 金髪から茶髪に、サングラスからシルバースクエアに、アロハは黒スーツ+赤ベストに変更。
 扶桑さんの当デザインにはリテイクがかかったので、詳細は次のラフで言及します。

 紙袋バニーさんは「"練り"が足りてない時は、すげーダサい絵になる」お約束のパターンですが
 …当ラフの直後、本編でイラスト化されない事が決まったので、デザイン不採用のままお蔵入りに。
 再登場の機会が有るなら、間違いなくコレを流用はしない(=キャラ作り直し)でしょうね。

※諸々のひと達・その2。扶桑さんはオーダーに添ってサルエルにしたら「ん、アラジンっぽい?」と思ったので、
 王冠に魔法のランプ、絵本チャームに囚人の鎖…などなど、色々盛ってみました。

 薬味女史は際立った特徴やデフォルメが無い事に意味の有るキャラなので、そのように。
 …ホラ、本編では人物の特徴どころか、人間としての姿形すら無くなっちゃいますし。

※諸々のひと達・その3。主に物理的な意味で、すっかり丸く収まってしまったフロイラインさんですが、
 「線情報の多いローブとシースルーは、とりわけモノクロでの相性が悪い」という作画上の理由により、
 インナーの透けはオミットしました。

 おかっぱちゃん(中のひと:食蜂さん)は、特に工夫やキャラクター性を必要としないキャラ、つまり
 「モブとして埋もれて構わない造形」…の筈なんですが、↓以下の通り、描き直しを重ねる事に。

※『学舎の園』の制服。おかっぱちゃんは「柵川中の制服と被る」理由から改訂を重ねましたが、
 現実的なセーラー服ってデザインのパターンが意外と少なく、逆にその特徴の無さに意味が有るのでは
 (=主役を引き立たせ、『普通さ』を表わす手段)…と思っているので、"個性化"に結構悩まされた感が。

 枝垂桜の制服を作ったのは、上条の更衣室爆誕シーンで女生徒を描くのに必要だったからですが、
 「…典型的なお嬢様学校らしい制服って、今まで登場して無くない?」という思い付きも有ったので、
 この機会にサンプルを作ってしまおうと考えました。正規採用は右端になります。

 あ、枝垂桜の制服モデルさんについては、敢えて突っ込まない方向で。

※恋査#028。薬味女史に同じく、彼女も(作劇上の理由から)個性化の必要は無いキャラなので、そのように。
 背中の開口部や名札をカーディガンで隠し気味にしたのも、過剰な個性化の回避を企図したものです。

※恋査#029。一通さんや麦野さん的な凶悪さで無く、極性としてはトールに近い感じの…「悪ガキ」?
 「『鋼の錬金術師』のエンヴィー」が、基本のイメージとして常に頭の片隅へ有ったような。
 素体は#028と全く同じなので、胴体部分のカラーとラインはわざとそのまま残しています。

 余談ですが、恋査さんは"入れ替え"によって、身長と3サイズはそのまま、体格だけ微妙に変わる
 …という自分設定が有ります。#029が#028に比べ、ほんの微かにボーイッシュな体格なのも、そのため。

※恋査の『花(AIM受信装置)』。パラボラ+秋桜をベースにした、お馴染みの植物モチーフです。
 ちなみに、これは事前にリテイクを見越した習作扱い…だったのですが、
 今度は一発OKが出てしまって膝カックン的心境に。

※7巻表紙ラフ。いまは『超電磁砲S』も放送中だし、やっぱ売上の最大化的にもこの二人しか居ないよね!

 …みたいな打算的な話では無く、実は「カラーで序盤以外のネタバレや、不穏な空気を出さない」という
 方向性が示されていたため、そこから生じる幾多のハードルを超えつつ絵を決めていく過程で、
 いわば消去法的に彼女達は選出された…といった次第です。

 当初の表紙案「土御門と雲川姐さん」を候補から除外したのもコレが理由で、
 "今巻の彼ら"を表紙にしちゃうと、どうしたって不穏かつ危険な匂いが消せないんですよね…。

※新約8巻表紙。久しぶりに表紙でメインを張る、お二人。
 いちおう、インデックスは新約2巻の表紙に出ていますが、アレはメイン扱いでは無かったですから…。

 背景には、美琴とバードウェイも居たりするのですが、レイアウトの影響で見事に隠れています。
 このへんの話は、表紙ラフの項にて後述。

※ロシア総大主教くんと、新ローマ教皇ことペテロさん。
 総大主教くんには、モチーフとなったモノやヒトの類は特に有りませんが、
 同派閥のサーシャやワシリーサ(の造形)は意識していたような?

 ペテロさんは、前任のマタイさんが俳優さん(『LOTR』のガンダルフ=イアン・マッケラン)を
 意識していた繋がりから、同じく洋画俳優さんリスペクトなのですが…答えは言わない方が面白そうだ。

※フレイヤ(正確には『フレイヤ』では無いですが)。造形の極性がオルソラさんと似ていたので、
 果たしてどう差別化を図ったものかなぁ…と、ちょいちょい悩んでたような。
 ブリージンガメンは、マリアンの鍛冶用具ないしはドラえもんの四次元ポケットと同じく、
 懐からスペースを無視した物量を取り出し、無尽蔵に引き伸ばす事が可能です。

 なお、彼女の意匠は、そのものズバリ「ベビー服」がモチーフになっていますが、
 コレは、まぁ…本文を読めば一目瞭然かな?と。

※ニーズヘッグ。コイツに限らずフレイヤの『仔』はすべて、セーターのように編みこまれた
 「外皮」のみで構成されていて、体内は気球や飛行船と似たような中空だったりします。
 イラストでは編み目を再現できない(=超接近しない限り、視認出来ない)ので、
 当ラフでも扉絵でも普通に描いてしまっていますが…。

※オティヌス。「魔神」「魔女」のキーワードを基に色々盛ってみた1st版(左端)ですが、
 "一発目が垢抜けない法則"は相変わらず健在のため、2nd版(中〜右)へ以降。

 地味にカテゴリの近い、インデックスやサーシャとの類似性を仄かに匂わせつつ、
 サンドリヨンやトールなど、一部グレムリンメンバーに見られるライン処理(=流線の複合)も入れてみたり。

※オティヌス決定稿。2ndブラッシュアップの3rd版。尻丸出しは不味いだろう…と言う事で、やや隠し気味に。
 グングニルは、アニメ『超電磁砲』一期のBD/DVDに付いていた『禁書目録(神裂)SS』を見た人なら「おやっ?」と思うかも?

 余談ですが、彼女の肌色率がやけに高いのは、「真の強者に、過分な装備は不要」的なアレの変種です。
 アレイスターやエイワス、オッレルスあたりと根っこは同じで、コンセプト的に間逆なのが…ビアージオ?
 "生身を晒す、身を守るものを捨てる=相手の攻撃や敵意など一顧だにしない"、みたいな?

 アレです。「…聖衣(クロス)脱いだほうが強いんじゃないの?」な龍星座(ドラゴン)紫龍みたいなモンです。

※8巻表紙ラフ。実の所、美琴とバードウェイが隠れる事については、この時点で既に計算済みでした。
 過去にも幾度か述べていますが「文庫サイズの、ラノベ表紙で"立てられる"キャラの数は、最大三名が限度」
 というヤツですね(キャラ立てを目的としていない『SS』の表紙などは、その限りでは無いですが)。

※9巻表紙。「前回ラストで世界が真っ黒になっちゃったし、背景ベタで良いから楽だよね!」は禁句。
 普通に考えれば、8巻を最後まで読んだ状態で9巻の表紙…となると、やっぱり黒背景&オティヌス以外には
 有り得ないと思いますが…どんなもんでしょう?

※続いて10巻表紙。解りやすく9巻の"対"と言う事で、上条単体で良いんじゃないかなぁ、と少し思いましたが、
 9巻ラストの見開き挿絵からダイレクトで繋がる形の「上条がオティヌスを庇う絵」に。

 野郎単体の表紙は極めて出し難いという、男性向けライトノベル特有の事情も有るには有りますが、
 15巻や19巻の例も有りますし、今回はほぼ関係無いかな?

※レイヴィニア極地仕様&子グングニル。従来のドレスにベストとコート、ブーツを追加装備。
 子グングニルは、オティヌスよりも一回り小柄な彼女でも持ちやすいように、
 槍自体の小型化とファンシー化が施されています。

 なお、レイヴィニアと似たように、今回は美琴もダッフルコートを羽織っているのですが、
 モノクロのラフを切ったあと、衣装が変わってる事に気付いたため、設定ラフは起こされていません。
 …まぁ、〆切までの残りTIME的な意味で、お察し下さい。

※今回は設定ラフが殆ど描かれなかったので、代わりに本編イラストのラフを幾つかピックアップしつつ、コメント。

 9巻4C三表=9巻カラー口絵の三つ折りポスター・表側ラフ。この絵に限り、"絵が左から右へ流れる"
 極めて稀な形になっています。キャラの視線や顔が右を向いているのは、そのため。

 蛇足ですが、実は当初、食蜂さんのコマには「木原加群」が入る予定だったりしたのですが、
 本編でのイラスト化が数枚、加えて顔の出ている絵は1枚のみの加群先生がスーツにメガネ姿…となると、
 「この人、誰?」みたいな事になってしまうので、線画レベルでも誰なのかが解るひと→食蜂さんと言う次第に。

※9巻1C4=9巻モノクロの4枚目ラフ。最初は西部劇の抜き撃ちよろしく、暁または夕焼けを想定していましたが、
 本文の時間帯が夜である事を自分が見落としていたため、本チャンでは朧月夜に変わっています。

 9巻の1Cは、全てが2頁見開きの変則構成になりましたが、コレは時間不足による挿絵の減数
 (普段は8点、9巻は5点)を、見開きにする事でフォローする…と言うのが理由の一つです。
 あとは、挿絵の構想段階で、はいむらが半ば冗談で提案した(実は地味に本気度が高かった)、
 「見開き4連続、全8頁に渡って"世界"を破壊していく、グングニルの投擲」案の名残でも有ります。

 つまりコイツが正式採用されていたら、本文内の他のシーンには挿絵が一切挟まれず、
 終盤のグングニル投擲シーン直後に8頁連続で挿絵が一気投入されると言う、前代未聞の事態に
 …今にして思えば、我ながら「そりゃ、やり過ぎだろ」と思います。ハイ。

※10巻4C三表ラフ。従来は目次に相当するスペースも使って、広々ワイド画面に。
 大統領がはいむらの手と脳を離れ、どんどん『Fate/Zero』のライダーになって行く…何とかせねば。

 なお、今巻では1C挿絵の規模が従来比1.5倍=全12枚に膨らんでしまい、
 又しても作業時間不足に見舞われてしまったため、扉絵&三裏MAP画面(目次)イラストについては、
 全作業を →伊藤タテキさん にお願いしました。
この場を借りて御礼申し上げます。

※10巻1C3ラフ。1C挿絵では初出のワシリーサさん…いや、過去の4Cでも後姿でハァハァしてただけですけど。

 挿絵全点見開きの9巻に続き、10巻は各章ごとに挿絵1枚=全12枚と言う、またもや変則構成。
 ホント好い加減、己の首を己自身で絞めるような案を提出するのは止めときなよ…とは思うのです
 (実際、"ファイブオーバーの挿絵(10巻1C7)"がオミットされる可能性も俎上に挙がりました)。
 …が、「この内容なら、やっぱり各章を代表するキャラが挿絵にならないと、面白味が無いだろうと。

※9巻表紙ラフ。表紙の項でも述べた通り、ココはオティヌスのピン絵以外、有り得ないだろう!と。
 と言うか、ココで彼女以外のキャラがホイホイ出張ってきたら、興ざめも甚だしいと思います。

※10巻表紙ラフ。コレについても、場面&キャラ選定は9巻のソレに近いんじゃないかなと。

 ちなみに、この9〜10巻にかけてのコメントで「何でこうも繰り返し『時間が無い』とか抜かしてんだ」
 …と、思われた方も多いと思いますが、理由の一端は『ソード・オラトリア2』のイラストレーターコメントに書かれています。
 なるほど、「ステマ」とはこういうものか!(←ステルスしてません

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