※1巻表紙(サムネイルクリックで全体画像)。コアキャラであるインデックスを見せるため、表紙はシンプルにしました。
※初稿のインデックスの髪型はストレートでなくウェーブでしたが、コイツは単に「好み」で描いてしまったためです…。
※初期の上条は現状よりもかなり大人びています。彼に限らず、今は話に合わせてデフォルメが進行しています。
文庫サイズの版型に、表情を含めたキャラの全体像を収めるには、この頭身は「高すぎる」ので。
※ステイルは当初からイメージのズレが余り有りません。衣装は上からマント・ローブ・黒シャツ黒ズボンとなります。
ちなみに、魔術側のキャラは1巻当時から、科学側のキャラに比べて年齢と外見の差異が著しいですが、
コレには一応理由があったりします。詳しくは神裂のラフで後述。
※小萌先生は「やりすぎ」な位が丁度良いのでこんな感じになりました。衣装はまんま子供服。
※神裂はパーツが多かったので一番苦労しました。この段階ではジーンズのカットが随分と中途半端です。
(ステイルの項から続き)1巻の本文初稿を読んだとき、はいむらが抱いた印象は、
「…ああ、これは『オトナの理屈』に子供が反抗する話なんだな」なのでした。
つまり、1巻時点の魔術側キャラであるステイルと神裂は、主人公である上条の目線からは、
「子供にとって、嬉しくない建前や理屈を並べる大人」に見えたハズなのです。
当時はさすがに、『禁書』がココまで長期に続くとは思ってもいなかったので、
2名は上記の印象に従い、年齢不相応の造型にしました…そして、7巻辺りから徐々にそれを後悔する羽目に。
※美琴はコギャル(←いまさらな表現)予備軍と思いながら描きました。
「コギャル」と言う表現もそうですが、1巻当時からルーズソックスなどのパーツは既に時代遅れも甚だしかったのですが、
敢えて採用したのは、「学園都市のトレンドは、外界のそれとはちょっとズレている」といった指定が有ったためです。
※このへんからデフォルメの兆候が見え隠れし始めています。神裂のジーンズは思い切り良くカットされました。
※小萌先生愛用のパジャマですが、ここではインデックスが着用してます。人払いカードは表紙裏に流用しました。
イノケンティウスは見開きのカラーでドドンと描けば見映えしたかなあ、と今更ながらに思います。
※ステイルの目元を若干ですが弄ってます。彼の胸ポケットは本文の描写に準じて追加しました。
ストラップについては、本文にも指定にも書かれていなかったので、彼らしくドクロにしておきました。
※インデックスの金縁は当初左端のものでしたが、「…なんか、インカ帝国っぽい?」と思ったので描き替え。
ここで描かれている柄はペラい刺繍調ですが、実際は凹凸の有るレリーフになっています。
ちなみに、1巻序盤のインデックスは下着を着けていません。恐らく途中から小萌先生に都合して貰ったのでしょう。
※好みで描いたインデックスのウェーブへアが指定と違う事にココで気付き、慌てて直しを入れました。
ローブは腰の部分で絞りを入れていますが、ベルトは有りません。ラフでは描かれていませんが、
U字型の固定具(バニエのような?)を、腰部分の布と布の間に縫い込んでズレを防止している設定になってます。
※ 本作業に取り掛かる直前、確認の為に上条とインデックスだけ再度描き直しました。
デフォルメに慣れなかったためか、この段階に至っても頭身がまるで安定してません…。
※2巻表紙(サムネイルクリックで全体画像)。季節と場所、主人公とヒロインが誰なのかをアピール。
ちなみに、2巻の表紙は総扉(表紙をめくった所)の2名と対になる連作となっています。
※左から上条、アウレオルス=イザード、姫神秋沙。2巻から上条の造型が更に変わりました。
但しこの段階に至っても頭身は安定してませんけど。実際の彼はもう少しスマートな感じですね。
アウレオルスの肝はクロコダイル地の革靴です。本編では一度も描きませんでしたが。
姫神は一般的な巫女さんの衣装をそのまま拝借していますので、デザインは凄く楽でした。
挿絵によって振袖の紅紐が描かれたり描かれてなかったりするのは見逃してやって下さい…。
※左からインデックス、ステイル、アレイスター。インデックスは上条に比べて造型が固まった感が有ります。
ステイルは1巻から更に少しだけ顔周りの描写を変えています。アレイスターは人間の皮を被ったエイリアン、
と言ったイメージでキャラを作りました。目からビーム出しそう?な感じとか。
※左から眼鏡少女、青髪ピアス、カエル顔のお医者さん。眼鏡さんは一発描きなので妙に浮いてますね…。
青髪君は某大作RPGの主人公を少しだけ参考にしました。お医者さんはいかにもヤブっぽい感じで。
余談ですが、このカエル医者を描いた辺りから「…保守的な萌えキャラとイケメンばかりじゃ、面白みが無いな」
と思うようになりました。つまりはココから後のシェリーやヴェントに繋がるワケですね。
※十三騎士ランスロット、アウレオルス=ダミー。十三騎士の兜は『仮面ライダー龍騎』のあの人です。
ダミーは顔アップにしたとき、本物との造形的な差異が無いため、表情でキャラを描き分けています。
断頭剣・小瓶・串刺し槍は途中で改稿が有ったため、本編では用いられませんでした。
※改稿後のアウレオルスの装備。銃剣は実物そのまんまです。黄金針は挿絵に入りませんでした。
アクセラレータについては、2巻本文が送付されたとき、編集さんの手違いで一緒に入っていた
3巻プロットを元にして、指定が来る前に見切り発車で描いたら、なんとそのままOKが出てしまった
…と言う隠れエピソードが有ります(当2巻ラフの項で、彼が描かれているのはそのため)。
もし、あのときの手違いが無かったら、彼の造型やキャラが全く別モノになってた可能性も?
あと、一通さんのキャラ造型については、↓の3巻ラフの項でも加えて解説しています。
※3巻表紙(サムネイルクリックで全体画像)。今回の主人公は間違い無くこの2名なので、思い切って
上条やインデックスを排除してみました。ちなみに今回はページ下に表紙の没ラフや解説などが有ります。
※アクセラレータ(一方通行)、御坂美琴、白井黒子。
3巻時点での一通さんは完全悪役だったので、初見一発でそれと解る造型を、と考えました。
モチーフは二十日鼠、「クロウ・飛翔伝説」のエリックなど。シャツの柄はデビルマンやベルセルクで使われてる
→こんな顔をベースにしています。最近は「ダークナイト」のジョーカーもイメージソースとして追加されてるかも?
美琴は1巻から細かい造型が変化しているので、改めて描き起こし。スカートが短くなったのはご愛嬌。
黒子は本文を基に起こしたらこうなった、と言う感じです。特にデザインソースなどは有りません。
※御坂シスターズ(ミサカ)。美琴との相違点は瞳・頬紅の処理と暗視ゴーグルのみ。
この段階ではゴーグルの作りがちょっとダサかったので、本稿ではデザインを改訂。
美琴と妹達は、並んだときに互いの区別が付かないと読者が混乱しかねなかったので、
作劇上は全く同じ造型で問題無かったのですが、敢えて妹の瞳に明確な個性を付けました。
※姫神秋沙の変更点と土御門舞夏。姫神は胸元のケルト十字以外に変更点が無いので、
インデックスのバッジを元にさらりと。舞夏は他の女性陣がセミロング〜ロング揃いなので、
メイドさんらしくショートにしました。黒子もですが、本筋に絡まないキャラは気楽に描けますね。
※3巻は表紙に少し悩んだので、もののついでに経過を掲載してみます。
まずは雛型の1枚目。今回は御坂シスターズをメインにした「外伝」的なお話なので、
当麻とインデックスを脇役扱いとして背後に回しました。イメージが漠然とした段階だったので、
絵の方も曖昧に終始してます。下の色が少し違うのは、帯を意識して構図を切るため。
※2枚目。インデックスは今作の主題となっていないので、表紙から思い切って外してみる。
背後の2名には単純な線と色を使い、手前の2名を書き込むことでコントラストを出そうと画策。
出来はそれほど酷く無いですが、タイトルや著者名を入れるスペースが不足しているのと、
表紙としてのシンプルな訴求を欠く、と言った理由で、相談の上3枚目に以降。
※3枚目。2枚目を叩き台として、御坂シスターズのみに要素を絞り込んでみました。
美琴のキャラからして、笑顔を見せると言うのは何か合わないと思ったので、表情を変更。
余りにきつくすると、表紙としての訴求力を失いかねないと思ったので、ムッとしている程度に抑制。
この段階でOKを頂きましたが、1・2巻と単調な正面構図が続いた事にやや危惧を感じたので4枚目へ。
※決定稿ラフ。キャラ(フェイス)をメインに見せると言う主題を守りつつ、構図を俯瞰へ変更。
3巻では、物語の主軸が完全に御坂へシフトしていたため、2巻以降も上条とインデックスが常に物語の中心に在ると
踏んでいたこちらとしては、多分に「面食らった」感も有ります。上の表紙ラフの混乱は当にそれを示していますね。
結果的には、この巻で上条とインデックスを表紙から外した事が、後々になって良い方向へ作用した感じです。
※4巻表紙(サムネイルクリックで全体画像)。今回は神裂さん。彼女は禁書目録ワールド内では比較的年長なので、
表紙もちょっとアダルツ風味にしました。「禁書目録の表紙」としては、いまいちふさわしく無いかな?とも思いましたけど。
ちなみに4巻からは絵柄を意識して変えています。特にモノクロ。シチュエーションによってタッチを変えてみたりとか。
※ミーシャ=クロイツェフと火野神作。この段階のミーシャはイメージが固まっていなかったので、いろんな所がかなり適当です。
神作は造型を崩してナンボなので、かなり気楽に描いてしまいました。造型のソースはロードオブザリングのゴラム。
「なぜそうなったのか」は、本編を見て頂ければ理由が解ると思います。
※上条刀夜と土御門元春。刀夜はスタンダードな父親像と言う事で、特にソースなども無くさらっと。
土御門のラフは「腕が長い」という本編の描写に従っていますが、実際にイラスト化するとどうしても
"不気味"に見えてしまうため、本編ではほとんど反映されていません…。
※ミーシャ=クロイツェフ。彼女は「インデックスの裏キャラ」といった意識で描いています。
当初はロシアっぽく長帽子を被らせていましたが、より裏インデックス要素を強める意味も有ってフードへ移行しました。
※表紙ラフ。4巻の表紙はこの人以外に無いので、最初から「解りやすい絵面」を重視しました。
コレは剣の配置バランスが悪いのと、右向きの顔がページをめくる際の導線として優しくないから没。
左向きにして剣を豪快に抜いていたらコレでも良かったかも?
※表紙ラフ続き。剣が「画面を真っ直ぐ貫いている」形に変更。
あとはキャラを左向きに。思えば、漫画やイラストにこの方向の絵が多いのは、
やっぱり「目線の引きを作ってページをめくってもらう」ためなんでしょうかね?
右めくりがメインのアメコミとかでは、右向きの顔が多かったりしますし。
※表紙決定稿ラフ。いわゆる「キャラ立ち」を重視して正面気味に向きを変更しました。
今回は基本方針が終始変化しなかったので、ラフに幾つかの段階を経ても変化がほとんどありません。
※5巻表紙(サムネイルクリックで全体画像)。アクセラレータとラストオーダー。
今回は短編集でもあり、3巻の『対』に近い話も入ってるので、3巻表紙の御坂姉妹と似たような構図を作りました。
※闇咲逢魔。彼はもともとhp短編のキャラだったので、カラー設定を省いてます。
梓弓は主に祭礼用の術式が施されたものなので、本物の矢をつがえる仕組みにはなっていません。
※5巻はラフの持ち球が少ないので、当時発行されていた電撃hp(現『電撃文庫MAGAZINE』)のラフも載せています。
これは電撃hp33号の表紙。掲載時期が丁度クリスマスだったので、それっぽいオブジェを盛り込みました。
※で、これが同号に掲載された短編のカラー。折り悪く、この時期は体調があまり優れず、
加えて他の幾つかの仕事とブッキングを重ねてしまったので、満足な数のラフも切れない状態でした
(今巻のキャララフが無いのはそのせいだったりします)。
…そんな訳で、この絵は作業効率も兼ね、同じラフを元に小ネタを仕込む方向で行きました。
実は、ラストオーダーや芳川、天井のラフも「アナログでは」描いていたのですが、コイツをうっかり紛失…。
※5巻の表紙ラフ。今回の絵のキモは冒頭に書いた通りです。
※オマケ。hp短編にちらっと出てきた「超機動少女カナミン」のデザイン。カラーリングは例のロボットに準じています。
しかし、5巻前後は絵柄デフォルメ化の途上にあるためか、キャラの手足や頭身のバランスが著しく変ですね。