※11巻表紙。お久しぶりな上条とインデックスのツーショット。
「今まで表紙に使ってない色を使おう!」という事でテーマカラーは緑に。
余談ですが、2巻以降にこの2人をメインにした表紙が無いのは、4巻か5巻あたりで
「ここまで来たら、2人一緒の表紙は最終巻まで取っておこう」と言う密かな誓いを立てたからなんですが、
今回はバカンス的な雰囲気を出すため、敢えてその禁を破りました。
※五和。本編ではチョイ役ですが、ポジションが極めておいしいので正式にラフを切りました。
天草式は(神裂と建宮を除き)、街でぶらぶらしてても違和感の無い格好をしてるはずなので、
萌えキャラ造型では頻繁に見る「現実では100パー有り得ない極端すぎな意匠」は出来る限り排除しています。
このへんは美琴や吹寄を描いた時の感覚に近いかも?
※シスタールチア&アンジェレネ。下のアニェーゼと合わせる形で鳥っぽい感じにしています。
ルチアはあまり他人を寄せ付けないタイプで、アンジェレネはアニェーゼ部隊内の
弄られキャラ&マスコットみたいな立場だったんだろうなーとか思いながら描きました。
※ビアージオ。彼は禁書ワールド内で極めて珍しい、典型的な小悪人なので、
人物としての際立った個性は付けず、過剰な装飾に埋もれてしまう感じにしてみました。
※アニェーゼ・刻限のロザリオバーション。羽をむしられた烏、みたいな感じで。
上のルチア&アンジェレネと3人セットになれば、世界名作劇場あたりで煤けたヒロインを
苛めるライバルキャラとその取り巻き2名、と言った具合になっています。
※オルソラ補足。フードとウィンプルを付けていないシーンが有るので髪形を決めちゃいました。
彼女もですが『禁書』では、当初メインクラスの扱いを予想していなかったキャラに、
後日スポットが当てられるケースがままあるので(例・白井黒子)、そういう時は
後出しジャンケン覚悟で造型の個性化を施しています。
※表紙ラフ案その1。上条を中央にした構図ですが、やっぱり表紙ともなると
野郎よりは女の子が前面に出ていた方が良いだろう、という事で2枚目へ以降。
※で、決定案。2名の立ち位置を逆転。1枚目はなんか中央でフラフラと視線が泳いで
定まらない感じだったので、こっちは右から左へ視線が流れるようにしてみました。
※12巻表紙。今回はもうこの2名しかいない!説明不要!と言うことで上条と美琴。
※上条と美琴の秋バージョン。今回は衣替えイベントもあって、
既存登場人物のほぼ全てに手が入っているためキャラ数多めです。
(ちなみにインデックス・一方通行・黄泉川に変更は有りません)
上条は以前から「典型的な学ランにしたい」と決めていたのでこんな感じに。
逆に美琴はちょっとだけ現代的な方向へイメチェンしてみました。
※上条学友ズ。女子の冬服はスタンダードでありつつ目立たせないとイカンので、
色の取り合わせを一般的なセーラー服のそれとは微妙に変えています。
土御門と青髪は基本こそ変わりませんが、デザイン自体は新しく描き起こしました。
あと、吹寄の後ろに誰かいるような気もしますが気にしないでください。
※魔術勢力ズ。新キャラのワシリーサは「ロシア→寒い所→宗教絡みでクリスマス」という
スーパー安直思考のもと女サンタ的にも見えるように。神裂は装飾の少ないまっとうな浴衣姿で。
シェリーは狙ってお色気を振りまくタイプのキャラでは無いなと思ったので、
セクシーというよりは無頓着なだけ、という感じにしています。
※学園都市キャラズ。小萌先生は夏服に+αの路線。ラストオーダーは小萌と被らないような感じに。
白井は美琴と同じように今っぽく転調。初春は基本地味子さんですが、頭の花を秋仕様にしています。
※その他もろもろ。ミサカのネックレスや土御門のシャツなど。柄は上のものからすこし変えています。
ミサカネックレスは普通に有りそうなオープンハート型。舞夏は長袖に、袖口は華やかになりました。
余談ですが、12巻のすこし前あたりから、話が具体化し始めた漫画版&アニメ版とのリソース共有を始めたので、
この巻以降に登場する新キャラ、加えて既存キャラについても「線の量を減らす」方向で
絵を組み直しています(漫画&アニメとの違和感を少なくするため)。
※木原数多。彼は禁書ワールドのお約束もとい「いかにもなキャラ造形」を意図的に排除しています。
野郎の研究者と言えば5巻の天井がいますが、彼とは或る意味正反対のキャラですねー。
どっちかっていうとドンキなんかで見かけそうな兄ちゃんのノリ?流石に顔タトゥーをしてる人は
滅多にいないでしょうけど…。
※前方のヴェント。彼女は禁書ワールドに登場する女性の中で最も「らしくない」造形が念頭に有ったので、
結果こんな感じに。眉と目の周りには京劇のようなドぎつい化粧を施しています。
シェリーやオリアナの例が解りやすいかもですが、可愛らしいキャラばかりが乱立すると、
バリエーションが次第に硬化してしまい、結果どのキャラも押しなべて似たような造形に
なってしまう事がままあるので、たまにはこういう人も必要なのです。
※12巻表紙ラフ。極めて早期に上条&美琴という方向性は決していたので、特に迷いも無く一発で。
絵的には「腕を組ませるか手を繋ぐかさせる」事を堅く必須条件にしていました。
余談ですが、12巻からは基本となる絵柄を若干弄りなおしています。
解りやすい所では、頭身を少し落として頭を大きく、足をやや短く描くようにしました。
……が、まだ手足が先細ってる感じがしますねー。もうすこしバランス取った方が良いのかも?
※13巻表紙。一方通行とインデックスのレアな2ショット。一通さんは久しぶりの表紙返り咲きです。
※猟犬部隊とアンチスキル。アンチスキルは今まで描かなかったのが不自然な位だったのと、
2誌で開始された漫画版禁書目録にも出てくる事が確実なので、この機会にラフを切りました。
ここではモノクロのみですが、猟犬部隊とは装備もカラーリングも微妙に似て異なります。
※装備関連。ヴェントの鉄線ハンマー、一方通行のショットガン。
ショットガンは現存しない、いわゆる「未来銃」です。
※ヒューズ=カザキリ。4巻でサーシャと入れ替わっていた「神の力」に近いですが、
目撃者が後退って距離を置きたくなる(または逃げ出したくなる)感じが欲しかったのと、
不完全なキメラ生物っぽい不気味さを出したかったのとで、こんな感じに。
前後編となった12巻と13巻の2冊は、各々コメディとシリアスに大きく振れ幅のある内容だったので、
この機会に、色んなシチュエーションへ対応できるように絵柄の引き出しを増やしておこうと決めていました。
※上のとおり、今回はラフが少ないのでオマケの口絵ラフコーナー。で、12巻表ラフ。
12巻はほぼ全編コメディ回だったので、普段はカラーで描かないような表情をさせてみました。
※12巻カラー裏ラフ。こっちはいつもの禁書的お約束で埋め尽くしてみました。
ワシリーサは全身ラフを切った割に、描画スペースの問題で大した扱いが出来なかったです……。
※13巻カラー表ラフ。変わって13巻は全編シリアステイストなので、
メインとして動くキャラクター以外を意図的に排除した大ゴマ形式にしました。
※13巻カラー裏ラフ。12巻と13巻は「対称」とか「対立」を主題にしていたので、
表紙・トビラ(学園都市背景)・目次・今回のカラー裏表なども全てそれに沿ったものにしています。
※13巻表紙ラフ。前の表紙ラフを描いた時点で、今回の一方通行とインデックスの表紙は既に決めていました。
キャラは12巻の対称、構図は12巻&5巻との相似、基本色は5巻の反転になっています。
余談ですが、キャラにデフォルメをかけた12巻とは変わって、13巻では更に別の方向を目指しました。
関係する皆さんからも「今回はコメディ要素ゼロだから思いっきりやって下さい」的な言質を頂いたので、
過去の禁書目録では使わずにいたタッチや絵柄などを試験的に導入しています。
(もちろん、単純に好き勝手やった訳じゃ無く『この絵の方が話によりシンクロするから』ですよ?)
※14巻表紙。表紙映えを考えると、今巻のヒロインとも言える五和は外せないとして、
実のところは「土御門を表紙に入れること」を最も重視してたりします。
※五和。「オタクのギャル系に対する風当たりって過大に強いよなー。この辺を少しでも解消できないモンかな?」
…という思考のもとに生まれた彼女ですが、まだ派手さが足りない?
彼女に限らず、天草式は「市井に紛れる」ことがデザイン面でも重要なので、
テレビや雑誌の情報にアンテナ張ってます的な部分があっても面白いんじゃないかな?と。
※親船ーズ(愛称・和菓子親子)。素甘先生は理系教師かバイオ系研究員っぽい感じで。
最中さんはシンプルに「女性の校長先生」と言った感じを念頭に描いてみました。
※駆動鎧。まずは様子見の雛型。この時点ではまさか↓のような事態になるとは想像もつかず……。
※駆動鎧その2。「操縦する」ではなく「着る」と解ってから、途端にやる事が激増して絶賛煩悶中。
何が問題なのかを文章で説明すると面倒臭い事になるので、→コレ で各自の理解をお願いしたい。
※駆動鎧その3。とにかく問題解決の為にバリエーションをいろいろと考えてみる。
※駆動鎧その4。画像ではβ版となっていますが、ここで更に問題が発生したので、またやりなおし。
※駆動鎧その5。いままでの「人間がロボットを着る」という概念をいったん取り払い、
人間を骨格になぞらえた上で、人工筋肉・鎖帷子・プレートメイルを重ねてゆくような
構造にしました。オーバーマン(キングゲイナー)や介護用補助スーツの発想に近い?
※駆動鎧その6。ショットガンについてのもろもろ。とにかくタイムリミット間近だったので、
外型のみに注力してディテールを後回しにしてしまった感じです……
※左方のテッラ1。シンプルに言うと神の右席は「禁書世界に紛れ込んだ異邦人」として描いています。
ヴェントもその典型ですが、キャラクタライズされた人物の多い禁書ワールド内においても、
とりわけ造型面で彼らが作為的なくらい極端な方向へ突き抜けているのはそのためですね。
2稿(右)は、主要ギミックである小麦粉を思い切って半身にピタリと配置しています。
どっかの男爵と思いっきりイメージが被っているのは見逃してやってください(笑
※テッラその2。2稿をベースにしつつ、後述のギロチン以外はこの路線で決定しました。
2稿に有ったマントは微妙に野暮ったかったので、大襟と羽飾りに変更されてます。
※テッラその3。えーと……エリマキトカゲ?
ギロチンのチェーンは本編では外され、十字型の中継ぎパーツのリング部を手持ちする形にしてます。
C文書の判については、ココで言うよりもリンク張った方が良さそう。[ →Wikipedia : SPQRについて ]
※表紙ラフ。表紙の項で述べたとおり、今回は五和と土御門をほぼ等価に扱っています。
上条がいるのは、2人が直接の接点を持っておらず、2人の接点が他でもない上条だからです。
※15巻表紙。「表紙には必ずヒロイン格を入れる」「彩度高めの単色で統一」「やや不安定な構図」など、
従来の禁書目録シリーズ表紙のお約束とも言える諸要素を、今回は意図的にすべてシャットアウトしました。
また、15巻以降は、本文モノクロ挿絵の一部作業を →伊藤タテキさん にお願いしています。
※麦野沈利と「博士」のパイロット版。麦野はCancamあたりにいそうなモデルさん系?
博士は特に何も考えずイメージをそのまま転写した感じですが、なんか銃夢のノヴァ教授っぽいですね。
※垣根帝督。ヤクザ予備生+新人ホストな感じ?衣装は学生服にも見えそうな所に留めています。
一通さんと共通した雰囲気を漂わせつつ、そこはかとない俗っぽさが出れば良いな、と思いつつ描きました。
例えば、一方通行のヤバさは寄らば斬るぞ的な「人が左右に退いて道が出来る」類のものだと解釈していますが、
対して垣根のそれは「空々しい笑顔で肩に手を回してくる」と言った類の、今っぽいヤバさなのです。
※手塩恵未。女傭兵な感じ。真っ先にイメージしたのは攻殻機動隊SACの草薙素子かな?
ベタな萌えキャラには成り得ない人物なので、逆に描くのは楽だったというパラドックス。
※"アイテム"の4名。麦野は服が変わっています。フレンダは解りやすい萌えキャラ造型に。
滝壺は4名中最も幸と影が薄い感じ。絹旗は本文の年齢変更に伴い、文庫では当ラフより幼く描かれています。
"アイテム"に関しては、殺伐とした15巻における一服の清涼剤と思わせつつ実は……的な意図を
当初から画策していたので、敢えて禁書的な女性キャラのテイストを保持したままにしました。
※"メンバー"の(査楽を除く)3名。博士は特に変わらず。馬場は禁書目録だと珍しいタイプの造型かも?
ショチトルは特に何も考えてなかったなー。博士のインパクトが結構強いので、みんなキャラを食われちゃったかな。
※馬場ロボ。犬バーションは本文の読み違え(猫型に盲導『犬』のプログラムが入っている)で描いてしまいました。
猫バーション含め「どうやってこれで関節を動かしているのか」といった、ごく自然な質問はスルーさせて下さい……。
※その他キャラ達。今回は幕間にバストアップのキャラ一覧表を入れる事が決まっていたので、
カラーにも挿絵にも出番の無い人達はこういう扱いになりました。何しろ新キャラ数が従来の3〜4倍増なので、
全員分をいつものノリで描いていたら、あっという間に時間切れなのです。
※そして全員分の一覧。登場と同時にリタイヤなキャラもいるので、たまには元絵を並べてみても良いかな?と。
※15巻表紙ラフ。プロット段階で13巻に匹敵する殺伐ワールドが展開される事は折り込み済みだったので、
表紙が殺伐代表こと一方通行のピン絵になる点は当初より決定していました。
今回の「モノトーンで一方通行のピン絵」という構図は、こちらと編集さんサイド双方から電話口の会話で
ほぼ同時に提案され、そのまますんなり決まってしまったという、妙な符合が有ったりします。
こう言った絵を表紙に置けるのも、シリーズが続いてキャラに幅が出来たがゆえですね。